入浴中の眠気は危険信号!原因と防止法を徹底解説
一日の疲れを癒やすお風呂の時間。
気がついたら湯船で眠っていたという経験をした人も多いはず。
しかし、お風呂で寝るのはとても危険なことなんです。
この記事では、なぜ入浴中に寝てしまうのは危険なのか、また入浴中の眠気の原因とその対象法について説明していきます。
入浴中に眠るのは危険!
湯船につかっていると心身ともにリラックスして眠くなることってありますよね。
睡眠不足や疲労がたまっている時に、眠気を感じることはもちろんですが、それ以外にお風呂の入り方が眠気の原因になる場合もあります。
お風呂で寝るのは気絶の可能性も
お風呂で温かいお湯につかっていると体温が上がりますが、体は平熱を維持しようとして血管が拡張します。
すると血圧が低下して、脳へ酸素を運ぶための血液の量が足りなくなってしまい、脳が酸欠状態になってしまいます。
その結果、ウトウトした感覚になるのです。
しかし、そのウトウトした感覚は、脳が酸欠で失神寸前の状態。
そのまま眠ってしまった場合は、気絶している可能性があるといえます。
そのため、お風呂で寝てしまった場合の危険性を説明していきます。
また、予防策や対処法も合わせてご紹介しますので是非、参考にしてみてください。
のぼせることで転倒の危険も!
「のぼせ」の一番の原因は、入浴による血圧の急激な上がり下がりによるものです。
眠ってしまい、長く湯船につかっていると体が温まり、体温が上昇します。
湯船の水圧も加わり、交感神経が刺激され、血圧も上昇していきますが、体が温まってくると血管が広がり、血圧は下がっていきます。
こうした状態でお風呂から上がると水圧がなくなるため、脳へ流れていた血液が、手足に一気に流れていくことになり、ふらっとする、気分が悪くなるなどの症状が出るのです。
これを「のぼせ」といいます。
のぼせてふらついたり、気分が悪くなったりするだけではなく、転倒する危険もあります。
貧血気味の人や自律神経が乱れている人は、のぼせやすくなるので、日頃から注意が必要です。
体と湯船のお湯の温度差があると体に負担がかかり、のぼせやすくなります。
のぼせないようにするためには、入浴前に浴室を温めたり、シャワーやかけ湯をしたりして、体を温めてから湯船につかりましょう。
熱めのお風呂が好きだという人も多いかもしれませんが、熱いお風呂に長くつかるのものぼせる原因になるので、お湯の温度は41度以下に。また、入浴時は汗をかきます。
脱水症状になる恐れもあるため、入浴前にしっかり水分補給をしておきましょう。
もし、湯船につかっている間に、のどが渇いたなと思ったら、無理をせず水分補給をしてください。
ただし、気を付けていてものぼせてしまうことがあります。
入浴時にめまいや立ちくらみがしたなと思ったら、すぐにお風呂から上がりましょう。
上がるときは、湯船から急に立ち上がるのではなく、ゆっくりと立ち上がるようにして転倒しないように注意してください。
お風呂から上がったら、安静にして、濡れたタオルや冷たいペットボトルなどを体に当て冷やします。
この時、いきなりではなく頭や足元などから少しずつ当てていき、体に負担をかけないように気をつけましょう。
さらに、のぼせた状態は、脱水症状になりやすい状態と言えます。
そのため水分補給が必要になりますが、冷たい飲み物を一度にたくさん飲むのは、胃腸に負担がかかるのでよくありません。
常温かあまり冷たすぎない温度の飲み物で水分補給しましょう。
お風呂で溺死する人は交通事故の2倍!
浴槽の中で、大人が溺れるなんて想像しにくいですよね。
しかし、厚生労働省人口動態統計(令和3年)によると、高齢者の浴槽内での不慮の溺死の死亡者数は4,750人で、交通事故死亡者数2,150人のおよそ2倍です。
お風呂で眠ってしまう状態は、気絶して意識障害を起こしている場合もあり、目覚めたときに自分の体が思うように動かせないことがあります。
顔までお湯につかって、息ができなくなり、お湯を飲んでしまうことも。
あわてて顔を出そうとしても思うように体が動かず、そのまま沈んだままになり、死んでしまう可能性もあるのです。
つかると気持ちがいい湯船ですが、睡眠不足の時、食後、飲酒後の入浴は、注意が必要です。
長湯になると眠ってしまう可能性が高くなるため、シャワーだけにしたり、長く湯船につからないようにしたりして、眠気を感じる前にお風呂から上がるようにしましょう。
どうしても湯船にゆっくりつかりたいが、寝てしまうという人は、お風呂用の枕を湯船に取りつけるなどして、顔が湯船につからないようにする、半身浴をするなどして溺れないように気をつけましょう。
気持ちの良いバスタイムを過ごし、寝るのはお風呂から上がってから
お風呂で眠くなる人は、疲れがたまっていたり、睡眠不足の可能性があります。
日々の入浴から心地よい睡眠に繋げられるといいですよね。
入浴は、個人差がありますが、睡眠時間の1.5時間前がベスト。
食後や飲酒時は避けましょう。
もし、飲酒した場合は、2〜3時間以上してから、シャワーで済ませましょう。
入浴前後は、しっかりと水分補給をして脱水症状にならないように注意すること。
浴室を温めたり、かけ湯をしてから入浴したり、湯船から上がるときはゆっくりと上がるようにして、体に負担がかからにようにします。
39〜40度のぬるめのお風呂に、ゆっくり10〜15分程度入るのがよいでしょう。
また、全身浴に比べて、体への負担が少ないため、長湯したい人は、半身浴がオススメです。
その際は、上半身が冷えないように注意してください。
入浴後は、体を冷やさないようにしたり、部屋を暗めにしたり、スマホやテレビを見ないようにしたりして過ごすことで、眠りにつきやすくなります。
そうすることで、良質な睡眠がとれ、疲労回復につながり、お風呂で寝てしまうこともなくなるはず。
自分に合った入浴方法で、気持ちの良いバスタイムを過ごし、上がってゆっくり睡眠をとりましょう。